音域が広く、声がいくらでも出そうなくらい快調に歌えてる人が急に、高音や中高音がでなくなる状態が続く、という経験はないでしょうか?
筆者は、ここ1年と6ヶ月ほどそういう状態で、少しキーの高い歌のサビなどが声がかすれたり、出ないなど調子が非常に悪い。
それまでは、音域の幅広さには自信があり、女性シンガーの高音域のキーも普通に歌いこなせていた。もちろん、男性シンガーの低いキーも余裕で出ていた。
それが・・・
男性シンガーの低いキーは何とか出るかでないかというギリギリで、女性シンガーの高音域のキーも含め、男性シンガーの高音域のキーも全然出ないという状態で、彼是、1年6ヶ月ほど悩んでいた。
いろいろ改善方法や対策を試みてみるが...
その間に、耳鼻咽喉科にも受診したが「声が出ないというか、歌えない。」と医師に、説明しても「喋れてるじゃない?」と言われ、「あ~んと口を開けてみて」と風邪ひいたときの診察のように口をあけて喉を目視されるだけで、カメラなどの精密検査はされなかった。
診断結果は、「喉に炎症があるね、お薬出しときます。」といって、10分ほど煙の出る機械に鼻を当てて煙を吸う治療(ネブライザー?)をした後、消炎剤やトローチ(ラムネのような喉飴みたいな飴薬)を処方されるだけだった。(どうやら、歌が歌えなくなったとかいう程度では、日常生活にそんなに差し支えがないので、「歌を仕事にしてます」とかいう人でない限り、精密検査はしてもらえないのかなと感じた)
結局、これも効果を感じられなかった(汗)
次に薬局や普通の病院に行ったりして「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」や「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」、「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」といった喉の調子や声枯れにも用いられる漢方薬を数ヶ月ほど試したが効果がなかった。
自分なりに調べた結果、多くの歌手が愛用しているという「響声破笛丸(きょうせいはてきがん)」という市販の漢方薬も試したが、これも効果がなかった。
筆者にとっては、どれも改善や効果がみられず、「どうしたらいいかな?」と更に悩む。
経験上、睡眠も歌声に影響があると認識しているので、睡眠は普通程度にしっかり取って、食事もあまり暴食せずに努めてきたが、これも効果が出ず...。
声帯によいといわれる食べ物の組み合わせ「りんご酢にハチミツとにがりを混ぜた水(例:水150cc、リンゴ酢大さじ1杯、ハチミツ大さじ1杯、にがり1~2滴)」なども試したが改善しない。
なんでやねん!と一人ツッコミをしながら、試行錯誤は続く...。
youtubeで「高音が出るようになる方法」と検索したらいっぱい動画が出てくるので、これらも試したが改善できなかった。
動画によると、高音が出にくいのは、肩こりが原因とか、耳の下や後頭部のある部分を親指で押すと良いといった動画を上げている人がいて→「出なくなった高音がでた!」という動画が反響があるようで「こんな方法もあるのか...」と筆者的には良い発見だった。
ただ、これも筆者には効果が無く、いよいよ「これはヤバイな。ポリープとかできてるのかな? 結局、ストレスなのか...?」などと思うが、解決法がわからない。
悩んだ結果、別の耳鼻咽喉科に行くことにした。
ここの耳鼻咽喉科の医師いわく、耳「鼻咽喉科にも喉専門と、そうでない医院もあり、喉も専門にしている耳鼻咽喉科は少ない。」との事。
ここの耳鼻咽喉科の医師は喉も専門で、「おかげで高齢(ここの医師)になっても、仕事はいっぱいあるけどなw」とおっしゃっていた。
心の中で「おお~ラッキー」とガッツポーズだった。
自分の症状に合いそうな耳鼻咽喉科をネットや実際に足を運んでサーチしていたので、ここの耳鼻咽喉科を見つけて来院に至るまで、2ヶ月ほど要した。
いざ、診察が始まると...
医師が「声が出ない?それで??」という会話から診察が始まった。
筆者は「これはまずい...門前払いコースかもしれない。」と感じたので、「声がよく出ていたのに、約1年半ほど前から急に歌えなくなって、とても困っています。何とかしたくて」と切実にうったえた。
すると・・・「君はこの近くで仕事をしているの?で、歌を歌うことを生業(仕事)にしてる人なのかな?そうなんやな。」と医師が言うので、筆者は考え込むように頷(うなず)くような姿勢でいると、
「そうか、、、歌えないとそれは仕事に差し支えるわな。」と言い、筆者は肯定も否定もしなかった。どうやら医師は筆者が音楽家か歌手かと思ったようだった。
そこで医師は、「じゃぁ、カメラでの声帯をみる検査をしようか。鼻に麻酔するから、ちょっとチクッとするよ。」と言って、耳鼻科によくある細長い長い綿棒のようなものを鼻に突っ込んで麻酔を塗ってもらった。
「鼻をすすったら駄目だからね!」といって、別室にいる他の患者の診察のため医師が席を離れる。
その間、別室の患者の診察している会話が聞こえてくる...この患者も喉に悩みを抱えての診察っだったようだ。
20分ほど経過した後、医師が戻ってきた。
「じゃあカメラ突っ込むからね、ちょっと痛いよ・・・。」と検査が始まった。
カメラはすぐに声帯に到達し、「では、イ~♪と言ってみて」と言い、筆者は「イ~~~~♪」と発音。
これを数回繰り返す、そして検査は終わる。
検査の間、麻酔が効いているとはいえ、殆ど痛くなかったが、くしゃみに耐えれるかどうかの刺激が続いた。
そして、「次に、肺機能の検査をするので、こちらへ・・・」と別室に案内。
そこで、機械の前に行き、機械の先端にある筒のようなものをくわえさせられた。
この機械は、肺活量を測るもので、筒をくわえた状態で3回呼吸を繰り返すという検査だった。(1回目と2回目は普通に呼吸、3回目は吸うときは深く深呼吸のようにゆっくりと吸いきれなくなるまで吸う、そして、一気に吐き出し、息が切れるまで吐き続ける)
この検査が終わると、後は結果待ちのため10分ほど待機し、その間に「鼻をかんでも良い」との事だったので、我慢していたので思いっきり鼻をかんでスッキリさせていただきました。
診察結果はというと・・・
ポリープも無く、手術するほどの症状もないので、その点は安心して良いとの事。
ただ、肺活量の検査で、息の吐いたときの波長が乱れている点と肺や口の中が炎症を起こしているらしく、これは「喘息や花粉症などのアレルギー性鼻炎の特徴で、アレルギーを元々持っている体質だね。」と言われた。
筆者は、幼いころは喘息と花粉症だったのは間違いないが、それらの自覚症状がここ10数年以上まったく出ていなかった。
それには理由があり、喘息は水泳を習い続けることで小学校の低学年の頃には克服し、筆者は10数年以上、鼻うがい(鼻で水を吸い込んで口から吐くうがい)をしているからだと思った。
そのまま水道水で鼻うがいすると非常に痛いので、粗塩(海水で作った塩)を少し塩辛い程度に感じるくらいの濃度で、水(ぬるま湯)で溶かして、鼻うがいをすると全く痛くない。
むしろ快適で気持ちいい。粗塩以外にもビタミンCを溶かした水道水でも、鼻うがいしても同じように痛くない(筆者は今はこのやり方でやっている)ので、毎日続けられる。
(この鼻うがいの事については、長くなるので別記事でお伝えすることにします。)
鼻うがいの事を医師に伝えると、医師いわく「なるほど。それが効いてアレルギー性鼻炎の症状を抑えられてるんやな。君は検査で元々アレルギー持ってる体質と出てるからなぁ。」と言い、「喉の細胞を取って検査するわけにもいかないので推測だが、おそらく喉にもアレルギーが出ているので、歌うとき声が出にくいのとちゃうかな、発声するとき痰(たん)も少し絡んできてるしな。声帯は発声するとき綺麗に上手く震えてるからこの点は良いのだが。」との事だった。
また、「声帯の左右の大きさも違うので、喉を酷使したのもあるかもね。これは治し方がわからないなぁ。」と言われ、「のどや肺の炎症を抑える吸引する薬出すからこれで様子見てみて。それで良くならなかったら声帯専門の医師を紹介するから。」との事だった。
ここの耳鼻咽喉科の医師は喉も専門だけど声帯の専門(声帯のエキスパート)ではないと言っていて、「その分野の専門は大阪府でも2つの医院しか無く、兵庫県には無いからなぁ。」との事だった。
喉の分野は、奥が深いな~と思う筆者だった。
「食事や生活習慣を改め体質改善に努めます」と医師に伝え、医師はニッコリと笑い「また結果聴かせて。」と会話した後、筆者はお礼を言って診察室を出た。この診察と検査のおかげで原因が分かってきたので精神的に安心を得られ少しホッとした。
窓口で処方箋をもらい、薬局で「シムビコート(吸引する薬)」を受け取って帰宅した。
早速、処方されたシムビコート(吸引する薬)を試してみる。
このシムビコートを3日間くらいやってるが、何かスッとした気分になる。少しヒリヒリするが、改善しそうな良い予感がする。
シムビコートは吸引したらすぐにうがいをしないと却って喉がガラガラになるらしく、「うがいは必ずして」と薬局の人に言われたので、気をつけたいと思う。
これは、1日2回で30回分あるので2週間ほど持つので、症状がどう改善されるか様子を見てみることにします。
歌を歌っていてのどの調子が気になる方は喉専門の耳鼻咽喉科を行かれるのもいいかと思う。